古中医は人体を自然と隔離された固体とはみなしません。自然とつながり、連動して変化を続ける、自然の一部と考えています。人の体調は自然界の変化に同調しています。春になると肝が弱る。夏になると心が弱り、血圧が上がったり不整脈が増える。秋には、肺や大腸が弱る。冬には腎や膀胱が弱る。

病気とは、体内のなんらかの気が不足して偏りが生じている状態のことです。つまり、その不足と偏りに対応する気を自然界から見つけ出して移植してやれば、人体の気はバランスを取り戻し、病気が治るというわけです。

自然界には数限りない種類の気が存在します。蛭や蝉などの昆虫類は言うに及ばず、植物の実、種、皮、茎、根、花も気の一種です。また、動物においても、鹿の角、馬の結石なども古くから貴重な漢方薬として珍重されてきました。現在見つけられている漢方薬は5000~6000種類です。従って、体の中でひとつ、ふたつの気が不足していても、ほとんどの場合、その不足を補うものを探し出してくることが出来るのです。

たとえ今は不治の病とされているものでも、それに対応した気を持つ漢方薬さえ見つかれば、必ず治療することが出来るはずです。リウマチ、糖尿病、肝臓病、脳梗塞、認知症、勃起不全、虫歯・・・古中医は、古くからさまざまな病気を気の概念によって治療し、完治させてきました。西洋医学がメスを使って治す病気も、なかなか治せない難病も、古中医では気の威力を活用してその多くを治すのです。

痛みや体調不良を治す

痛みや不調を取り除く方法は世の中に山のようにあります。おおむねどの方法も有効であり効果的であるといえます。伝統的な古中医ではそれ以上に「治す」ということを目的とした手法を使います。

痛みや不調を緩和するのではなく、完全に治す。歴史を紐解けば、中国で培われた治療術がアメリカへ渡ってカイロプラクティックとなって広まりました。日本においては整体、整骨、針きゅう、あんまとして広まりました。現在、それぞれの体系だった手法の中で切磋琢磨し、多くの人々を癒すサービスとして根付いていることは、大変喜ばしいことだと思います。

代々伝わる秘伝の世界

中国の古中医には2種類の医者います。ひとつは大学の医学部を出た者。もうひとつは、代々医業を営んできている地域の開業医です。後者は高い効果を発揮する独自の治療技術を代々受け継いでおり、それを他人に教えることはありません。理由は、それこそが地域で傑出した開業医として存続していくための力の源泉だからです。

また、国家の最高層の治療家の中には、自らの持つ知見や技術を共有する文化があります。そこには独特の仲間意識とお互いの治療の質を高め合う実直な医魂が存在しています。「誰もが治せない」と言われる難病を治せるのは、決して不思議な世界の話ではなく、誰かが「自らの機密を開示したかどうかで決まる」という側面もあるのです。私たちは上海において、国医として代々医業を受け継いできた者として、今後も積極的な技術公開を行っていきます。それはなによりも、伝承の技術を普及させることで、多くの人々を救えると考えるからです。